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甲府地裁、山小屋殺人で初公判――大柴、罪状認める

山小屋殺人で初公判 ことし九月、奥秩父山系の瑞牆山(みずがきやま)で、山小屋に宿泊した女性登山者を襲って殺し、婦女暴行致死と死体遺棄の罪に問われている山梨県北巨摩郡須玉町小尾五五三〇、元山小屋管理人大柴勉被告(50)に対する初公判が十七日午前、甲府地裁(上田耕生裁判長)で開かれた。

起訴状朗読の後、罪状認否で大柴被告は「本当です」と答えた。弁護側は死因については意見を留保し、その他の起訴事実は認めた。大柴被告は罪状認否でもうなだれながら、小さな声で答え、上田裁判長から「もう一度はっきり」と促されていた。

起訴状によると、大柴被告は五十二年六月から瑞牆山の富士見平小屋の管理人をしていたが、九月三日夜、同小屋に泊まった東京都武蔵村山市大南三ノ五八ノ一四、会社員今井忍さん(22)が小屋の外に出たところを襲い乱暴しようとした。

しかし今井さんが抵抗したため、襟首をつかんで今井さんの体を宙づり状態にして窒息死させた。大柴被告は翌四日朝、犯行を隠そうと今井さんの遺体を小屋から百数十メートル離れた山林内に運んで捨てた。

(cite from 『日本経済新聞』1983年11月17日夕刊15面)

甲府地裁判決、奥秩父登山OL殺しに懲役12年

昨年九月、山梨県の奥秩父山系瑞牆山(みずがきやま)で山小屋に宿泊した女性登山客の東京都武蔵村山市大南三ノ五四ノ一四、会社員今井忍さん=当時(22)=を死亡させたとして、婦女暴行致死と死体遺棄の罪に問われた山梨県北巨摩郡須玉町小尾五五三〇、元富士見平小屋管理人、大柴勉被告(51)に対する判決公判が五日午前、甲府地裁で開かれた。上田耕生裁判長は大柴被告に懲役十二年(求刑同十五年)を言い渡した。

判決で同裁判長は「山小屋の管理人としての立場を忘れた悪質な犯行だ。暗い山中で信じていた管理人に乱暴され、死後二週間も放置され変わり果てた姿で発見された被害者の恐怖、無念は察しても余りある。大柴被告に改しゅんの情はみられず、事件が山岳関係者や社会に与えた衝撃も大きい」と述べた。

また、大柴被告が公判途中から「三人組の犯行だ」として犯行を否認した点について、同裁判長は「否認後の証言は客観的な証拠と食い違う。罪を犯していないとすれば被害者の靴などの遺留品を処分した合理的理由もなくなり、到底信用できない」と述べ、検察側の主張を全面的に認めた。

一方、弁護側は同日控訴する方針を明らかにした。

(cite from  『日本経済新聞』1984年6月5日夕刊11面)